巻頭言

2020.01.01
巻頭言

ベスト1月号 巻頭言を掲載しました

2020年の展望
~輝かしい2020年の展望~

株式会社日本公法 代表取締役社長
麗澤大学名誉教授
元中国管区警察局長
元警察庁教養課長
元警察大学校教官教養部専門講師
大貫 啓行

 新年あけましておめでとうございます。
 皆さんには、ご家族お揃いでつつがなく新年をお迎えされたことを心よりお慶び申し上げます。新年という節目を迎え、今年こそ一層充実した年にすべく、決意を新たにされたことと思います。本誌職員一同、皆さんの期待に応えるべく精進する決意ですのでよろしくお願いいたします。

 いつもと変わらぬ年のようにみえながら、実は時代の変化の大きな足音が響き渡る大変な時代を迎えていると思います。新年に当たって、本稿では、その一端を一緒に考えてみたいと思います。昇任試験でもこれらの諸点への認識を問われることは必至でしょう。

1 オリンピック・パラリンピック警備
 今年のハイライトは、夏の東京大会であることは異論のない所。今年は、いよいよその年が来た。それぞれの持ち場でより具体的に問題点を洗い出して、それらへの具体的な取組から得た各自の決意が肝要であろう。今年のポイントは具体的であること、抽象論で終わってはならない。どういう問題があり、それらへどう対処しているか。我がこととしていることが伝わるものでなくてはならない。
 例えば、ネット犯罪への取組は大きな焦点になるのではないか。ここでも「官民協力が要」という視点がミソになろう。

2 少子高齢化社会への対応
 我が国の治安に与える中長期的な課題は、少子高齢化社会への対応とくくることができよう。今問題となっている特殊詐欺、毎日の被害額が1億円にもなるというのだから、その異常さは明らかだ。ますます高齢化社会が進むことが必至の中、治安問題としての一層の認識が欠かせない。各方面の協力を促すという視点が肝要だ。治安は警察の独り相撲では効果が限られる。関係者への協力を拡大するという視点が欠かせない。「治安は警察官が担う」という決意は欠かせないが、あくまでも「市民と共に」という姿勢が重要だ。
 少子化の中、後継者獲得への組織を挙げた取組が一層求められる。昇任試験でも、受験者獲得への取組への理解は肝要だ。

3 ITC(情報技術)・AI(人工頭脳)への積極的スタンス
 警察組織は時代の変化に遅れてはならない。また、警察官個人も変化への積極的な取組が必須になる。我が国のキャッシュレス化も、いよいよ本番となる気配だ。警察活動でも、これらの変化に対する前向きの対応が求められる。ネット犯罪防止への取組は、社会の安全対策として一層強調されることは必至だ。
 得てして、警察には時代の変化への対応が遅れがちな特徴があった。この点への若い皆さんの問題意識の高さは組織としての期待が高い。

 いよいよ始まった、2020年という年を皆さんにとって実り豊かな年とすべく、本誌職員一同、決意を新たにしています。
 皆さん、頑張りましょう!

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