ベスト7月号 巻頭言を掲載しました
はじめの一歩と積み重ね
~思い立ったが吉日~
株式会社日本公法 代表取締役社長 麗澤大学名誉教授 元中国管区警察局長 元警察庁教養課長 元警察大学校教官教養部専門講師 大貫 啓行 |
「思い立ったが吉日」。皆さんにとって、今日という日がその吉日と信じている。年度初めでも、誕生日でも、心の持ち方次第で吉日はいつでも存在している。
各種スポーツの勝利者の誇らしい笑顔は素敵だ。皆、満足しきっている。はじける笑顔の輝き、それはチャレンジした過程の厳しさに比例している。オリンピックなどで、そうした輝きを見るのは心躍るものだ。テレビの映像を冷房の効いたソファーに寝そべって見ていては、決して味わえない充足感だ。
何かに向かってチャレンジする際に、誰しも自分に負荷を課すことになる。その負荷に立ち向かうことが心を奮い立たせる。言い換えれば、頑張ったから得られる達成感だ。自らに課した負荷は、悦(よろこ)びの最大の根源なのである。
昇任試験への勉強を開始しようとしている皆さん。今、一斉にスタートラインに立っていても、ちょっとした心構えの違いがもたらす結果の差異は想像以上に大きい。意識すべきは、最初の一歩という前向きな踏み出しと、その継続・積み重ねが何より重要であること。誰にとっても、自らに負荷を課すのは苦しく困難だ。だからこそ、最初の一歩が早ければ早いほど、乗り越えた者にとって大きな財産になる。あまりにも当然のことで、誰しも知っていることなのだが、最初は微差だとしても結果においては大きな差異になることを、しっかり理解しておこう。
何事もそうなのだが、振り返ってみれば、ああそうなのかと、80歳になろうという身にして気づくことは少なくない。若い皆さんには、老先輩の当たり前のアドバイスにしばし耳を傾けてもらいたい。先人の知恵は数々の教訓や言葉になって蓄積されている。
「千里の道も一歩から」、「点滴岩をも穿(うが)つ」……言わんとする内容は同じ。
多くの先人の知恵が、これらの言葉として蓄積されているのだ。昇任試験突破という目標でも変わりはない。
弊社の資料を素材に、たとえわずか5分間であっても毎日努力すること、その積み重ねは間違いなく大きな宝物を皆さんにもたらす。弊社職員は、皆さんの夢の実現にいささかなりとも役立ちたいと心から願い、日々の業務に取り組んでいる。合格したいという思いの大きな人が夢をかなえる。皆さんの頑張りを祈っている。